Excel/Access

サブタイトルは「テーブルを使ってください、お願いします。」本当に大事なことに目を向けよう。

『エクセルに使い方ってあるんですか?』Aさん

\道具ですから、当然あります/



 

概要

エクセルの正しい使い方を考えたことのある人は意外と少ないです。
そういう切り口で書かれてるテキストも少ないです。
関数の使い方、グラフの使い方など局所的なものはあれど、
エクセル自体の使い方はあまり教わりません。不思議じゃないですか?
何事も、俯瞰して見るからこそわかることってあります。
エクセルそのものの使い方がわかればそこから個人に応じた、
○○関数の使い方、××グラフの使い方を覚える必要があると予測がつきます。
そしてエクセルの使い方は十人十色ではありません。
1人1人に必要な機能や仕組みがあり、1人1人に合った使い方や勉強法があります。
それを教えてくれるのが「田中メソッド」です。


田中メソッドによる使い方9パターン

日本のエクセル第一人者、田中亨さんが考案された「田中メソッド」。

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「手でデータ入力を行う人」と「マクロでデータ分析する人」が、
同じ思考、同じ勉強法にはなりません。
大量のデータをキーボードで入力する作業であれば機能 + 入力」
ワークシート上の数値の計算を行うのなら数式 + 計算」
グラフの作成やCSVデータの作成を自動化したいのならVBA + 出力」
色分けしたのは"何を使うか"。黒字のは"何をするか"。
"使うもの"と"すること"が違うわけです。
これがわかると、エクセル業務を抽象化して見ることができます。






「運用目線」だから伝わりづらい

エクセルを実務で使う上、全エクセルユーザーが知るべき重要な概念が、
今回の「エクセルの使い方」と、「データベース」の話です。
なんですが、伝わりづらいのも確かです。
その理由は、知識や暗記ではないからだと思います。
表現を変えると「運用」「運用目線」の話です。

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「運用目線」が伝わりづらい理由2つ

1つ目は、運用がわからない人には伝わらないこと。
運用目線とは実務で効率的に使う前提とも言えます。
となると実務経験があまりない、実務に沿った学習をしてこなかった人には、
まず伝わりません。
もちろん初めは仕方のないことです。ピンとくるまで経験を重ねてください。

2つ目が重要。
まず「知識」とは、覚えて選ぶことです。
「検索機能は、ホームタブからできる」「Ctrl + Cで、コピーができる」とか。
合っていることは、合っていると直観的にも視覚的にもわかります。
合っていること=正義です。

「運用目線」とは、
「Ctrl + Cで、コピーができる」のような暗記ではありません。
どこかに正解が書いてあるわけでなく、○○=正義とは簡単にいかないんです。

これこそ、考え方であり、技芸であり、使い方です。


考え方であり、技芸、使い方

「エクセルの使い方」も「データベース」の話も、
Microsoftが公式に発表しているわけではありません。
こういう”考え方”は、いかに「整合性がとれてるか?」。
より説得力があるもの=正義です。
それには知識が多いだけでなく、技術や経験なども重ねる必要があります。
現状の最適解として、上級者が使っている考え方の1つがまさに今回の内容。
(田中メソッドという名前を出さずに使うエクセルトレーナーも実際います)

この考えに納得いかない人はおおよそ経験不足。ですが、
どうしても異議を唱えたければ、それ相応の技術や経験をして、
より優れた考え方を確立さえすれば、
新たな最適解としてエクセルユーザーから支持も得るでしょう。



書籍(余談)
前回から今回まで1冊の本からだいぶ引用しました。
実は前回の「データの種類」も、
私の知る限り5パターン(5冊)以上は別の回答があります。
いつか比較してみるのも面白いかもしれません。

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『データの種類って何ですか?』Aさん

\まずは3種類を押さえましょう/


 

概要

この「データの種類」という考え方。あまりに基礎なんで、よく見ます。
どのテキストにも載ってます。
あまりに基礎なのにけっこう意見が分かれます。
どのテキストにも載ってる同じテーマで、回答はばらつくんですね。
因みに"1番よく見る"回答は、
「データとは、文字列と数値の2種類に分かれます」というものですが、
個人的にこれは直観に合いませんでした。

まず「データ」とは、単にセルに入力されているものではありません。
"運用可能"なものに限ってデータと呼びます。
(”運用とは?”に関しては、基礎を学びながら身につけましょう。)
セルに入力されているものの中でも、
データと呼べないものも存在するわけです。

ここはセルを扱うエクセルユーザーとしては知っておかなければなりません。

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まず2種類「定数」か「数式」

定数
固定値とかベタ打ちとか呼ばれますが名前は何でもいいです。
これも2種類に分けられ、それが「文字列」「数値」です。

数式
数式とはエクセル特有のもの。
"定数とは性質が違うものが別にある"という認識ではじめはいいです。



「文字列」「数値」

ここではまず、文字列と数値の違いについてです。
1.配置
セルに入力したとき、
文字列なら左寄せに、数値なら右寄せとなります。

2.演算ができる・できない
エクセルではよく「計算」という言葉がでてきます。
そしてエクセルの計算は「足す」「引く」などの四則演算だけではありません。
ただここでは四則演算のみの話をしたいので敢えて、演算としています。
文字列は演算ができません数値は演算ができます。


「文字列」「数値」(例)


「単価」を「個数」でかけ算、その結果を「金額」として表示するものです。
まずエクセルでは、
1つでも「文字」が含まれているセルは「文字列データ」として扱います。
そして文字列は演算ができない。
つまりC列の演算結果は、
A列「数値データ」 × B列「文字列データ」 = C列(計算ができないエラー)

G列の演算結果は、
E列「数値データ」 × F列「数値データ」 = G列(正常)

となっているわけです。
エラーについては別の記事にしますが、演算が上手くできていないことはわかります。
このような「演算目的の数なのに、演算できないもの(B列)」はデータとは呼べません。
ユーザーの誤入力です。

もちろん実務では「○○個」のようにしたいケースはたくさんあります。
そんなときは「数値」を入力、
「セルの表示形式」機能を使って“個を表示"させます。
セルの表示形式についてはまた別の記事で。


「数式」

既にでてきたC列とGには演算結果、つまり数式が入っています。
表示は見ての通り200ですが、ただの200ではなく数式の結果による200です。
ここ、数値とは違います。
"違う"と思っていた方が後々の理解もしやすくなります。
だから、まず「定数」と「数式」なんです。
数式については別の記事で改めてまとめます。





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『元データとか、データベースって何ですか?』Aさん

\エクセル業務で最重要概念/


 

概要

"元"データというくらいですから、何かゴールのための"元として使う"ものです。
何に使うか、使うイメージなどは次回以降として、
ここでは元データと呼べるまでの定義みたいなのを書いておきます。

そして今回フォーカスするのは「表」です。
大前提、エクセルのワークシートには「行」と「列」があり、
そもそも「表計算ソフト」。表に対する機能や仕組みがたくさんあるソフトです。
であれば、その表の意味がわからないとエクセルを正しく使うことはできません。


表とは?データベースとは?

表という仕組みは日常でもよく目にします。
クロス集計表、時刻表、周期表、年表など探せばいくらでもあります。
誰かが「○○表」「××表」と呼んでしまえば、それはもう表でいいわけです。
ここで1つ言えるのが、
仕組みがどうこうよりも単なる名称。
「表」は人間のための言葉だということ。



そしてエクセルユーザー必須なのが、
エクセルのために定義された表、「データベース」です。
単なる名称ではなく仕組みの意味あいが強く、
エクセルやコンピューターのための仕組み
ということです。
そしてそのデータベースを、
"用途の意味"を使って「元データ」と呼びます。
イメージでは、「表」が「データベース」を包含してます。
データベースと呼べる表もあれば、データベースと呼べない表もあるでしょう。



データベース

初めに、このデータベースという言葉は文脈によって意味が異なることがよくあります。
「データベースソフト」「顧客リストのデータベース」など、意外と言葉自体は聞きます。
本質的には同じ意味ですがその本質がわからない人には、
前提知識があるとかえってわかりづらいかもしれません。
ここは一旦、"表計算ソフトのみでの考え方"と割り切ってもいいです。


「データベースの定義」

1.エクセルでは、空白行と空白列で囲われた範囲をデータベースの範囲と捉えます。
その範囲にタイトルをつけているのをよく見ます。つけるなら1行空けてください。

2.データベースの途中に空白行を入れるのはダメです。
これ考えてみると1番と同じ意味なんですが、あまりに多いので敢えて分けました。

3.1つのセルには1つのデータ、1行には1件分のデータです。
空白でなければ何でもいいわけではありません。

4.表の見出しは一意です。重複はしないでください。



「データベースの定義」(補足)

1.必須ではないですが、もう少し知っておいてほしいことがあります。
まず、表の見出しはデータ部分と違いをつけます。例えば、
「見出し名はセル内で中央揃えにする」や「見出しのセルを塗りつぶす」などです。
違いがあることでエクセルが内部で、
“表の中でも、ここは見出しであってデータ部分ではない”と認識します。
この認識させることでのメリットは今は考えなくてもいいですが、
三者が見たとき見出しとデータ部分の区別が、視覚的にわかりやすくなるというのもあります。

2.同じ列には同じルールとしてください。
例えば個数の列の助数詞はすべて“個”に統一するなど。

3.表というと罫線をつけるイメージがあるかもしれません。
罫線は、情報を分類したり関係性を表したりと、整理するためのツールの1つです。
故に罫線1つとっても、使い方次第では情報伝達のノイズとなります。
“データ部分の数値”に関しては「カラーコード」を設けておきましょう。
例えば、
直接入力する数値は、フォントの色を青にする。
計算結果となる数値は、フォントの色を黒にする。
他のシートから参照する数値は、フォントの色を緑にする。
このようにカラーコードがあることで
数値のもつ規則性と、それに関する意図を第三者に明示的に伝えることができます。
この考え方も、業界的にはよく見るものです。


総務省が発表(余談)
総務省が「エクセルの使い方」的なものを発表しています。
これ正確には、”エクセルの”ではなく、”入力データの”話。
『統計表における機械判読可能なデータ 作成に関する表記方法』

https://www.soumu.go.jp/main_content/000723626.pdf


「元データが作れたら実務の9割終わったようなもの」

そう聞くくらい元データは重要なんです。
ピンとこない人もいるかもしれませんが個人的にも、
元データを正しく作るのが実務で最も難しいことで間違いないですし、
元データの"質"が実務のすべてです。



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『1番使うショートカットキーは何ですか?』Nさん

\1番使うのが100個あります/



 

大前提

「ショートカットキーを使うことでの効率的とは何か?」
といった観点で前回記事を書きました。
記事自体は長文になってしまいましたが、改めて1つ伝えておきます。
エクセル作業でのショートカットが効率的になるには、
約100個程のキー操作を知っておくこと。
反対に、たった50個くらいを覚えていても効率的にはまだならないということです。

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『1番使うショートカットキーは何ですか?』について

この質問は本当に多いです。
「1番使う○○は何ですか?」自体ベタな質問ですが、ショートカットキーは特に。
大前提の通り効率よくショートカットキーを使っている人というのは、
ショートカットキーを含むキー操作がベース。
ベースがキーボードですから、
「右手をマウスに移動してマウスで操作した方が速いとわかっている操作」のときしかマウスは使いません。
つまり1番2番3番…と頻度の差はあれど、1番2番3番…はあまり考えるものじゃないです。
覚える気があるならとりあえず50個覚えましょう。
また、ショートカットキーを知ること以上に大事なことがあるので、
一応回答します。


『1番使うショートカットキーは何ですか?』回答

この質問に回答する人も多いですね。
敢えて答えるとして、それでもこの3つで決まりです。
それは「Ctrl + S」「Ctrl + 矢印」「Ctrl + Enter」。


「Ctrl + S」上書き保存

これは知っている人も多いでしょう。
当然ポイントは「Ctrl + S」上書き保存を覚えることではなく、
これをよく使ってください。
実はエクセルユーザーがエクセル作業で1番使う操作はコピーと、正式な調査によって決まっています。
それでも「Ctrl + C」や「Ctrl + F」で作業を速くすることより、
何かの拍子でブックが消えてしまったとき、ブック自体の損害を最小限にすることのほうが重要です。

 

「Ctrl + 矢印」Endモード「Ctrl + Enter」入力確定

はじめに断っておきます。
この2つ、ショートカットキーなのか?という疑問はあります。なのでそれはまた別の機会で。

「Ctrl + 矢印」はEndモードといって、移動する際に使います。
「Ctrl + Enter」は、私がわかっているもので3つのことをしてくれます。
・入力確定後アクティブセルを移動させない
・書式を引き継がない
・複数セルの一括入力

我々エクセルユーザーは当然セルを使います。
セルへの入力等の「セル操作」がついてまわります。
であれば、それに伴うストレスは無くなるだけ効率化に繋がるのは必然。
また、"ショートカットは効率的"とするにはエクセル操作のベースがキーボードでなければなりません。
故にこの2つを使わずに"ショートカットは効率的"とするのには無理があります。
正直、「よく使うショートカット○選」みたいな記事にこの2つが載っていないと、内容の信憑性、筆者のスキルを疑ってしまいます。なんたって、みんな必ずやるのが「セル操作」です。
こういうのをわかってこそ、ショートカットキーの効用は感じられると思っています。


キー操作リスト.xlsx

私自身の思う「キー操作リスト」というのがエクセルブックであります。
先に、"1番2番3番…はあまり考えるものじゃない"としましたが、
このリストは重要度を4段階に分けています。
もちろんキー操作なんてのは調べたらキリなく出てきます。
なのでリストにしてるのは、自分の覚えている200個強のみ。



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『ファンクションキーも、正しいのを覚えて!』Nさん

\知識を入れる力点を知りましょう/



 

間違ったショートカットキー

間違ったショートカットキーの定義
ここでいう"間違った"というのは2つの意味をもちます。
どちらにしても発信者の知識量、発信者の意図次第。良い・悪いではありません。

1.情報が誤っている
2.効率的な情報が抜けている

("何をもって効率的なのか?"という観点ではこちらも同じかも…)

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情報

大前提1.
情報とは何が正しかはわかりません。受け手が判断してください。

大前提2.
情報を敢えて正しく伝えないケースはあります。


2.効率的な情報が抜けている

「F2」モード切り替え

「Shift + F2」メモを挿入

Shift + F2」定義へジャンプ(VBA)

編集モードではなく、モードの切り替えです。
セルのモードという機能を意識してください。これ意識しないでワークシートを操作することはありません。
「Shift + F2」も個人的には欠かせません。

「F4」参照形式切り替え

前回の操作を繰り返したいときこれをすることはする。
けどエクセルユーザーであれば、参照形式を切り替えたいときのほうが多いです。

「F6」シート切り替え選択

ひらがな変換は忘れてください。
シートを移動したいとき、「F6」は重宝します。

「F8」選択範囲の拡張

「Shift +F8」選択範囲の追加

「Shift + F8」の方が使います。
これ、2個以上できるようになってからはもっと使いやすくなりました。
伝わる人、いるはずです!

F9」選択した数式の返り値を表示

今回のキーの中で個人的に1番使います。
今ではこの返り値が表示されるようになりとても便利。
また「F9」で表示させたとき戻る際は「Ctrl + Z」です。



ファンクションキーの文字変換情報が多過ぎます。
「F6」ひらがな変換、とわざわざ紹介してる記事や書籍を多く見ます。
誤った情報ではないですが、有益とは思えません。
いや、ここはハッキリと。覚えなくていいです。
覚えるものの力点を置くのも大事。
最後に、今回このような"間違った"という視点なので、
"便利なもの"を厳選しているわけではありません。



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『Ctrl + 1がセルの書式設定、とは思わないで?!』Nさん

\知識は正しく、効率よく/



 

間違ったショートカットキー

前回、ショートカットキー含むキー操作について書きました。
今回はショートカットキーの間違った認識について。
「そんなものあるの?」と思うかもしれませんが、けっこうあります。

間違ったショートカットキーの定義
ここでいう"間違った"というのは2つの意味をもちます。
どちらにしても発信者の知識量、発信者の意図次第。良い・悪いではありません。

1.情報が誤っている
2.効率的な情報が抜けている

("何をもって効率的なのか?"という観点ではこちらも同じかも…)

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情報

一応、書いておきます。
大前提1.
情報とは何が正しかはわかりません。
受け手が判断してください。発信者に責任はありません。

大前提2.
情報を敢えて正しく伝えないケースはあります。
ここで例をだすと結局長くなってしまうので、だしません。
「細かいから伝えない」というわけでなく、
「細かいから伝えられない故に敢えて正しくないことを伝えておく方が、
この先を考えると"生産性"という意味では正しい」ことがあります。


1.情報が誤っている「Ctrl + 1」セルの書式設定

ようやく本題。
セルを選択して「Ctrl + 1」
   …セルの書式設定
グラフ(エリア)を選択して「Ctrl + 1」
   …グラフエリアの書式設定
画像を選択して「Ctrl + 1」
   …図の書式設定
コントロールを選択して「Ctrl + 1」
   …コントロールの書式設定
SmartArtを選択して「Ctrl + 1」
   …図形の書式設定

選択された物の、書式設定ダイアログをだすのが「Ctrl + 1」です。
そして書式設定自体は実務でよく使います。なので、ちゃんと理解して使いたいわけです。



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『Ctrl + Cは覚えなくていい!』

\大事なことが他にあります/


 

ショートカットキーとは

このタイトルもちろん少しキャッチーにしました。
「Ctrl + C」コピーというのは最初に覚えるショートカットキーといえるかもしれません。
そして「ショートカットキー」というと、作業効率を上げるとよく言われる1つで、多くの人の直観にも合っているでしょう。
だからみんなショートカットは覚えるし、ショートカットの質問も私自身よく聞かれるし、ショートカットという言葉自体もよく聞きます。
実はショートカットキーの定義は正確にあります。
個人的にほとんどの方の認識が間違っていますが、今回そこは本筋ではないので触れません。
今回は便宜上、ショートカットという言葉を使いますがキー操作全般のことと思ってください。

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「Ctrl + C」は覚えなくていい?

Ctrl + Cに限らずですが、「ショートカットを覚えたら作業が速くなる」という一般的な考えにはあまり賛同しません。
正確には、
「ショートカットを覚えた方が作業が速くなるときがある。
そのケースは条件すべてを満たしているとき。」
条件は3つ
1.両手がキーボードの上にあること
2.キー操作を体で覚えているため、頭で考える前に使えること
3.その作業自体がマウス操作より、キー操作の方が速いとわかっていること

1と2をクリアするには、エクセル作業に関しては約100個程のキー操作を知っておく必要があり、
3においては“キー操作もマウス操作も得意”に加えて、“やりたい作業に対してのアプローチをいくつも把握している必要”があると考えます。
(普段どれだけの数の機能を使い、どれだけの数の機能の結果を使っているかを箇条書きしてみると、その数の多さに気づくはずです)

image


とても理想ではありますが、これ簡単ではないです。
仮に1つも当てはまらないとき、それならマウスを使った方が速いです。
「Ctrl + C」1つ例にしても、エクセル操作のベースがキーボードではなく、
マウスの場合、右クリックからの方が速いと思います。
目線を落としてCtrlキーとCキーをわざわざ探すのであれば、それもマウスを使った方が速いです。
どの職場にもいるはずです。目線落としてCtrlキーとCキーをわざわざ探す人。


これ前提に考えると、「そこまでの数を体に覚えさせる努力が本当に効率的か?」と、
一旦考えてみてもいいように思えます。
同じ結果を得られるなら、より努力しない方が利口です。
そんな考えに則した機能として「クイックアクセスツールバー」というのもあります。


「Ctrl + C」より先に覚えること

そして何よりも、「Ctrl + C」より重要な「知識」や「概念」がエクセルにはたくさんあります。
「Ctrl + C」が、「表示形式」「シリアル値」「テーブル」「スピル」より重要なはずがありません。


「ショートカットを覚えたら作業が速くなるよ」→「確かに。覚えるね!」
「表示形式はエクセルの基本だから覚えてね」→「??」
「テーブルも基本だから作業効率の為に使ってね」→「??」
実際はこうなります。だからショートカットを覚えましょう、ではダメなんです。
ショートカットを教えるくらいなら、
責任をもってショートカットの重要性も知っていてください。
責任をもって他の機能の重要性も知っていてください。
それができないのなら「ショートカットを覚えたら作業が速くなるよ」とは簡単に言うもんじゃないです。


ここまでをまとめると、「Ctrl + C」を覚える優先度は低いです。
ただ、エクセルを使えるようになり、さらに他人より生産性を上げたいのであれば、
ショートカットを使えるようになるのはお勧めです。
これは車の運転と同じく、頭で“覚える”のではなく“体で覚える・使える”ことです。
そこまでの“ショートカットが使える人”は実際そう多くないですが、
他人と違う「付加価値」が身につくのは確かです。
一応私は、エクセル以外も含めてPC作業全般で他の方よりも速く、まったく同じ操作でも2倍近く差が出ることもあります。MOS試験(他に指標がないので)だと10分強で終了。ショートカットを含む「キー操作」で可能にしている部分は大きいです。



「Ctrl + C」など、ショートカットのメリット

「ショートカットキーが使える人に身につく付加価値とは何か。」
よく「作業が速くなる」が挙げられますが、本音はそこではありません。


前述のとおり“ショートカットが使える”ことは、“車の運転ができる”ことと似ています。
ここでの「運転ができる(人)」というのは、
“ある意味で何も考えずに、運転ができる”ということです。
反対に「運転ができない人」というのは、
運転操作に伴う複数の動作や周りの状況の判断をすることに、
“意識的に”とてもエネルギーを使います。
前方の信号が黄色になったとき、ただ右折したいにもいろいろなことを
“意識的に”考えるので集中力が散乱します。車内での会話も1度中断するかもしれません。
「運転ができる人」と比べて動作や移動にかかった時間が同じでも、
やりたいことに対しての集中力がブツ切れになったり、消費するリソースが大きいわけです。ペーパードライバーという言葉があるように、です。


実務でも同じことが言えます。
「ショートカットが使える最大のメリット」は、
有限な集中力を“パソコン操作自体”に使うのではなく、
本来やりたい作業や思考に注げられることです。


タッチタイピング(余談)

これは改めるまでもないですが、
仕事でパソコン作業をする人間なら、タッチタイピングは「普通」です。
車でいうエンジン
板前さんでいう包丁
陸上選手でいうシューズ

タッチタイピングができなくても仕事ができる」という主張は、
車でいう“300ccのエンジンでも動けばいい”
陸上選手でいう“ゴールできればいい”
実務でも“仕事が終わればいい”、“残業すればいい”。といった考え方が無意識にあるのでしょう。
パソコンを使う上でのキー操作とは、
すべての作業のベースにあり、結果を左右する比重が大きい要素です。


ショートカットを体で覚えるとは?

例えば日本人が、英語で質問されたとします。
英語に不慣れな人は頭の中で英語を解読、日本語に置き替えて、その返答を日本語で考えて、それをどうにか英語で作って、ようやく英語で答える人が多いです。これはやっぱり大変です(これは英語学習しているとよく聞く例だと思います)。


ただ普段の日本人同士、お互い母語での会話ではこのような苦労は当然ありません。
これには理由があり、
「人間の言語処理は自動的に行われているから」です。
自動的に行われているから、言語処理が他のシステムに干渉することはあまりなく、
他のシステムに干渉することがないから
スムーズな会話が成りたったり、同時に別のこともできます。


対して第二言語では、言語処理の自動化が進んでいないため、
“意識的に考える”ことが起きます。
当然母国語のようにコミュニケーションがとれなかったり、
出来なくなることが増えたりもします。
この発生する差分を「外国語副作用」といいます。


「ショートカット」や「タッチタイピング」でも
始めはこの“副作用”的なストレスがかかるものです。
“ショートカット副作用”を感じるうちはショートカットが使えていません。
目指すは“母国語を話す感覚”で指が動くようになることです。


体で覚える(余談)

ここでは"体で覚える"と表現しました。
「自転車は体で覚えているから、時間が経っても乗れる。」と、聞いたりもします。
これ、本当は「脳が覚えている」と最近読んだ本には書いてありました。
「脳が覚えている→だから体で覚えている感覚のように、体が動く」そうです。
このあたりもっと勉強してみたいです。



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